カテゴリ:観劇、鑑賞日記( 4 )

2月2日 銀座ブロッサムにて
立川談春さんの独演会をみてきました。
職場の知り合いの人からのおすすめだけあって、
本当に素晴らしい時間でした。
いままでテレビでみてきた落語のイメージが、がらりと変わりました。
昔ながらの夜の娯楽、最高の楽しみ。そんな豊かな時間。
談春さんは、本当にテンポも声も感覚もすばらしい方で、
現代に即したマクラからきれいにお話にはいっていく。
そしていろんな人物を演じわけ、即座に話の世界に引きずりこんでいく。
とくに女性の描写がすごい。若い嫁入りまえの娘さんから、芸者さん、
おかみさんに、おばあさんまで。すべてが違う個性で、違うイメージ。
それはもう鮮やかに、手にとるように映像が浮かぶ。
そこには人間の真があるように感じました。
語られる言葉は、胸に染み込んで、ぐっと揺さぶられる。
最後の演目「たちきり」は、静かに始まり、いつのまにか引き込まれ、
会場にはすすりなく音が響く。
そこで、ああ、これは落語なのに。。と気づきながらも、
きれいに着地した言葉の鮮やかさに息をのむばかりでした。
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2007年観劇一本目。
青井陽二演出、動物園物語。
のんきに劇場にいったのを、ちょっと後悔した開演前。
青井陽二演出作品てば、なんて気の抜けない作品ばかりなのでしょう。
劇場の舞台の上に座席が組んであって、そこは、小さな円形劇場。
観客までが出演者になっているかのようなわけですよ。
その錯覚は、開演してからも変わらなくて、
木陰から盗み見をしているか、木々になったかのような感覚です。
そしてその中心で繰り広げられる、二人の人物の物語り。
現代作品ではないのに、現代におこりうる物語は、
いまこの瞬間、本当におこっていても不思議ではない事件。
二人の人物のそれぞれ全く違う人生を近くに感じ、深く印象づけられます。
彼等にかかわる人々と情景は、彼等の言葉によって鮮明に
浮かび上がってくるのでした。
1時間ほどの演目なのに、その時間はとても濃密です。
見終わったころには、ぐったり、、という感じなのですが、
その感覚がまた心地いい。そしてその短い時間には理解しきれない
二人のことが気になって仕方がない。

最近私は、また落語熱がわいていて、途中までは落語に似てる感覚かな、
とも思ったんですが(言葉を想像して話しが進む感じが)、
あとになっても気になってしまう感覚は劇なんですよね。
また、あの木陰に座りたい。

北千住1010シアター 
1月21日まで
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「クラリモンド」を母の日に観に行ってきました。
ダンスミュージカルと銘打たれているのが、不思議で仕方なかったのですが、
観終わってみると納得。
セリフの全てが歌になっているのではなく、状況や感情などがダンス、
それも音にあわせるだけではない肉体の全てを使った、演技としてのダンスで
綴られていく作品でした。その行間を、華麗な言葉と、歌でうめられていく、
いままでにはないタイプのミュージカルであったかと思います。

舞台は一瞬一瞬が緻密に計算しつくされ、その緊張感に、拍手やまばたき、
呼吸さえも躊躇われるほどで、静寂が支配する劇場は、
歓客の息さえもとまっているように思えます。
だからこそ、一人対作品として作品にのめり込め、その濃密な空気に身を沈め、
クラリモンドの魅力に目をこらすことができる、
いい意味での連鎖が起こっていたように思います。

最初は、流れにのまれるばかりで、
神に仕えるロミュオや、悪女クラリモンドの感情がよくわからなかったのですが、
視点をクラリモンドにあわせると、途端にこの作品が
深く甘美で、人間なら誰もが望むであろう愛の物語であると気づくのです。
そう思ったら、もう涙が湧いてきてしまいました。

生きながらの死を選ぶのか、死ととなりあわせの愛か。
どちらの生を選ぶのか、と迫られたとき、きっと表れる人間の弱さと感情のゆらぎ。
十字架をはずすことは出来ても、長年腕をとおしてきた礼服を、
脱ぐことの出来なかったロミュオ。そんな細部にまで、表現されていることに驚きます。

一音一音奏でられるピアノ、効果をもになう斬新なタップダンス、
感情の全てを表現していく歌、狂気と絶望までも表現するダンス、
美しく響く情熱の言葉。
各パートの全てが一体とならなければ完成しない舞台、クラリモンド。
いまも彼女の歌声が、耳にこだまします。
無償の彼女の愛と歌声に、また深く浸りたい。そう思う濃厚な作品でした。
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パルコ劇場で行われた朗読劇「ラヴ・レターズ」を観てきました。
毎年出演者をかえて上演されている演目で、もう16年も続いている作品です。
私も数年前に観ていて、とってもいい作品だったので、
もう一度観たい(できれば同じ出演者さんで)と思っていたのですが、
その願いが半分叶い、一人の演者さんだけ再演というので、行ってきました。
幼馴染みの男女の間で交わされる、往復書簡の形で話しは進んで行きます。
朗読という形式なので、派手な照明も、音楽もありません。
そこで重要になってくるのは、演じる二人の呼吸と、表情。
そして微妙に変化していく、声。
ラジオドラマとは違い、一人が声と表情で表現し、
もう一人はそれを読んでいる。。という動きでその時の心情を演じていき、
そうして二人での呼吸が重なりあってうまれる物語りなのです。
今回、自由奔放なメリッサ役の土居裕子さんは、弾けるような元気な声で、
後半では小さな涙をぽろぽろこぼしながら、感情豊かに演じていらっしゃいました。
真面目で模範生なアンディ役の貴水博之さんは、
ゆったり愛情をメリッサに注いでいくように演じていらっしゃいました。
立場や、環境が違うふたり、そのときどきで体当たりで愛情をぶつけていく
メリッサに、後半は感情移入してしまい、大泣き(恥)。
数年前観たときにも泣けたのですが、前回以上に感動して泣いてしまいました。
アンディもそんなメリッサに惹かれ、感じたのでしょうか、
静かな声は、次第に感情を揺らし、最後のカーテンコールでは、
二人とも涙を拭かれていました。
お話の最後は、思わぬ展開になるのですが、
それでも最後の二人の笑顔に、救われる思いでした。
ああ、もっと拍手を贈ってもよかったかも。。と思いながら帰宅したのでした。
生きている劇だなあと、つくづく思う作品です。
来月も違う出演者さんで開演されるようですので、機会がある方はぜひ。

http://www.parco-play.com/loveletters/
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